大阪地方裁判所平成29年2月2日判決(判例タイムズ1438号172頁)
「太郎は本件事故の直前にも転倒事故を起こしており、太郎に高い転倒リスクがあることの認識が被告の職員に高まったのに、トイレに行く際にナースコールを依然押そうとしない太郎に対して、被告による転倒事故の再発防止策が講じられることのないままに、本件施設の利用が継続されていたのであって、転倒事故が再発する可能性が高い状況にあったというべきである。そのような状況を踏まえると、介護の専門知識を有する介護事業者である被告としては、太郎に対して、一人で歩いてトイレ等へ行くことの危険性とその危険を回避するために付添いをする必要性を専門的見地から意を尽くして説明し、付添い介護を受けるように説得するべきだったと認めるのが相当である。」