遺産相続に関するよくある質問

Q11:相続登記実務に関し、平成28年3月11日付で法務省民事局長通達(以下、平成28年通達)が出され、相続登記実務が変わったと聞きましたが、どのように変わりましたか。


回答:法務省民事局は、昭和44年、保存期間満了による廃棄処分や戦災・震災による 消失等の理由により、除籍謄本が提出できない場合には、その旨を記載した市町村長の証明書に加えて、「他に相続人はいない」旨の相続人全員の証明書(印鑑証明書付きのもの )を提出する取扱いによって差し支えないとする見解(いわゆる昭和44年回答)、平成 11年、確定判決の理由中において「他に相続人がいないこと」が認定されている場合は 、相続人全員の証明書に代えて、当該確定判決の正本の写しを相続を証する書面(登記原 因証明情報)として取り扱って差し支えないものとする見解(いわゆる平成11年回答) を出しておりましたが、平成28年通達は、保存期間満了による廃棄処分や戦災・震災に よる消失等の理由により、除籍謄本等を提出することができない場合には、その旨を記載 した市町村長の証明書が提供されれば足り、「他に相続人はいない」旨の相続人全員の証明書の提出を不要としました。これに伴い、法務局に相続を証する情報の提供をする際に、相続人全員から「他に相続人はいない」旨の証明書を取得する必要も、相続人らを被告とする確定判決も得る必要もなくなります。