質問:遺贈は、生前贈与より先に遺留分減殺の対象となるとのことですが、そうすると、遺留分権利者は、常に、遺贈から減殺することになるのでしょうか。
回答:相続人の遺留分額の範囲内なら減額請求できません。
相続人に対する遺贈が遺留分減殺の対象となる場合、遺贈の目的の価額のうち当該相続人の遺留分額を超える部分のみが民法1034条にいう「目的の価額」に当たります(最判平成10年2月26日判タ972号129頁)。したがって、例えば、ある相続人が取得した遺贈の目的物の価額が、その相続人の遺留分額の範囲内であれば、遺贈であっても、減殺請求できないことになります。