不動産トラブルに関するよくある質問

Q10:建物の建築工事を進めていたところ、注文者が、民法641条の注文者の解除権を行使し、建物建築請負契約が終了しました。途中までの工事代金を請求できますか?


質問:途中まで工事をしたのに・・・(その4)

当社は、個人より居住用建物の建築工事を受注し、建築工事を進めておりました。すると、注文者が突然「別のところに住むことに決めたので、工事はストップしてください。民法641条に注文者による請負契約解除の規定があるので、この規定により契約を解除します。」と言われました。既施工部分の出来高報酬を請求できるでしょうか。

回答:原則、既施工部分の報酬を請求することができます。

東京高裁昭和59年11月28日判決は「建物建築工事のように請負人のなすべき給付の内容が可分であり、完成前の給付について当事者双方が利益を有する場合においては、解除の効力は給付ずみの部分には及ばないと解すべきであるから、当事者双方は給付未了部分に関してのみ原状回復義務を負うというべきである」と判示しております。原則として、既施工部分の報酬を請求することができます。