1 裁判書は、包括的禁止命令を発した場合において、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該再生債権者の申立てにより、当該再生債権者に対しては包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該再生債権者は、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等をすることができ、包括的禁止命令が発せられる前に当該再生債権者がした再生債権に基づく強制執行等の手続は、続行する。
2 前項の規定による解除の決定を受けた者に対する第27条第7項の規定の適用については、同項中「当該命令が効力を失った日」とあるのは、「第29条第1項の規定による解除の決定があった日」とする。
3 第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
5 第1項の申立てについての裁判及び第3項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。
ポイント解説:
1項の「不当な損害を及ぼすおそれがある」か否かは、再生手続開始決定がなされる場合、また、再生手続開始申立ての棄却により職権で破産手続開始の決定がなされる場合(法250条1項)、当然に強制執行等は中止すること(法39条1項、破産法42条1項)を考慮して判定する。