1 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、再生債務者の業務及び財産に関し、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分をすることができる。
2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
3 第1項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
5 第3項の規定による裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条第3項本文の規定は、適用しない。
6 裁判所が第1項の規定により再生債務者が再生債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、再生債権者は、再生手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、再生債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。
ポイント解説:
保全処分は、再生手続開始の申立てがあった場合には、財産の散逸等を防止するために通常必要であるので、中止命令のような「必要があると認めるとき」という要件は規定されていない。
現在の東京地方裁判所の運用では、本条の保全処分としては、弁済禁止・担保提供禁止のみを発令している。